ヘッドクラッシュ・モータ焼け・プラッタの歪み等によりドライブが認識不能となった場合に内部部品の一時的な修理処置が必要になります。
現在ではこうした状況においても対応可能な高度なデータ復旧技術が確立されており問題なく対応しております。



ハードディスク内部の作業には厳密なクリーン環境が不可欠です。

そのためクラス100のクリーンルームを採用しドライブの開封や精密作業を行っております。
HDD内部を極めて清浄に保つ必要があるためわずかなホコリの混入がデータ復旧の成否を左右します。


ホコリは致命的:エアシャワーによる徹底除去

粘性の高い微細なホコリがわずか1粒でも内部に入るとプラッタやヘッドに致命的なダメージを与える可能性があります。

そのため、作業者は作業前に専用エアシャワーを通り身体や衣服に付着した微粒子を完全に除去します。
プラッタ表面にホコリが付着した状態で通電するとヘッドのスライダ部品が吹き飛び、即座に動作不能となる危険性があるため最大限の注意を払っています。

クリーンルームで内部部品交換を行う必要があるかどうかを事前検査で正確に判断することが最も重要です。
なぜなら、内部部品交換の必要がないドライブを開封しても状態が改善することはないためです。
一度でも開封するとオリジナルの状態よりも読み取り精度が低下する可能性があります。

HDDは非常に精密な機器であり、ヘッド周辺の位置関係や固定状態は上蓋のネジの締め付け具合にも影響を受けます。
たとえば2TB以上のHDDでネジを一度緩めて再度締め直すだけでも微細なバランスが変化することがあります。
通常の使用環境では気づきにくい変化、壊れかけのドライブを扱うデータ復旧の現場では、そのわずかな変化が読み取り率に影響する場合があります。

このような性質があるため、データ復旧では事前のドライブ検査が非常に重要です。
「壊れているなら、とりあえず開ければよい」という判断は適切ではありません。
必要性のない開封作業はかえってドライブの状態を悪化させ復旧の可能性を下げてしまうおそれがあります。

そのため、まず事前検査によって状態を見極めてクリーンルーム作業が本当に必要なケースに限って内部部品交換を検討いたします。


データ復旧では、ドライブの修理作業を行うことがあります。
特にハードディスクの場合、クリーンルームを活用した分解作業を思い浮かべる方も多いと思います。

しかし、それはあくまでデータを取り出すための手段であり、必ず必要になる作業ではありません。
目的はドライブを分解することではありません。失われたデータを可能な限り安全に取り出すことです。
ここで重要なのは「データ復旧とドライブ修理は同じものではない」という点です。

データ復旧における修理作業はデータを読み出せる状態へ一時的に近づけるための処置です。
ドライブを長期的に使用できる状態へ完全修理することが目的ではありません。
そのため、データ復旧が完了したあとにドライブを再利用することはできません。

たとえ復旧作業の過程でヘッド交換や基板処置などを行い一時的に読み出し可能な状態になったとしてもデータを取り出すための処置です。
その後も通常使用できるように修理されたのではありません。
故障したドライブは、すでに重要な部品や記録面や制御系統に問題を抱えている可能性があります。
その状態で再利用すると再び認識しなくなる・読み取り不能になる・保存したデータを失う・といった危険があります。

したがって、データ復旧後のドライブは再利用せずに新しいドライブへ交換することが重要です。
データ復旧における修理はドライブを使い続けるための修理ではありません。
データを救出するための一時的な復旧処置です。

この違いを理解しておくことが安全なデータ保全につながります。