まず、結論からです。

S.M.A.R.T.の属性0x05「再配置セクタ数」が1以上になったからといって、そのドライブが必ず使用できないとは限りません。

再配置が発生していても、その後の状態が安定しており、条件次第では再利用可能と判断できるドライブもあります。このためFromHDDtoSSDでは、不良セクタ修復機能と不良セクタシミュレーションを組み合わせています。

単に不良セクタを修復し、代替セクタへ再配置するだけでは十分ではありません。重要なのは、処理後にドライブの状態がどのように変化するかを確認することです。

再配置処理を行えば、S.M.A.R.T.の0x05が増加する場合があります。しかし、その数値だけを見て、ただちに使用不可と判断するのも適切ではありません。確認すべきなのは、再配置後も新たな不良セクタが発生していないか、再配置セクタ数が増え続けていないか、さらにプラッタや磁気ヘッドの状態が安定しているかという点です。

不良セクタを代替セクタへ再配置したあともドライブの状態が安定し、不良セクタシミュレーションの結果も良好であれば、再利用可能と判断できる場合があります。

一方で、再配置セクタ数が継続的に増加している場合や、ヘッドまたはプラッタの劣化傾向が確認された場合は、たとえ現在読み書きできていても、再利用には慎重な判断が必要です。

つまり、重要なのは「0x05が1以上かどうか」だけではありません。

不良セクタが発生した原因を調べ、修復後の状態と今後の劣化傾向まで確認すること。それによって初めて、そのドライブを再利用できるかどうかを判断できます。

この考え方が、不良セクタ修復機能と不良セクタシミュレーションを組み合わせた重要な理由です。



HDD, SSDなどのドライブには、自己診断機能であるS.M.A.R.T.(Self-Monitoring Analysis and Reporting Technology)が搭載されています。各種動作のパラメータを記録することでそれらの変化をもとに将来的な故障を予測します。

SATAは 0 – 255 の簡易的な値のみサポートします。一方で、エンタープライズ版のSASでは、以下のスクリーンショットのような各状態に関する詳細な情報(Error counter)を取得することができます。

中古ドライブはガチャではない。正しい観測手法を知れば、必然的に当たりを引けます。
noteで書きました。こちらでも……ガチャか。まあ、ガチャです。
実際にSASのS.M.A.R.T.計測値を観察しながら、S.M.A.R.T.の使い方を習得できる構成になっております。

https://note.com/fromhddtossd/n/n28262515aa21

コツとして、先に「全セクタ読み出し検査」を実行します。すると、その結果がS.M.A.R.T.にも反映されます。そして、ここで改めてS.M.A.R.T.の各属性を確認します。

不良セクタ0、S.M.A.R.T. 健康状態 – OKで、完璧となります。

項目内容
全セクタ読み出し検査全セクタの読み出しを行い、正常性を確認
S.M.A.R.T.への反映測定結果が、各属性に反映
結果不良セクタ0、S.M.A.R.T. 健康状態 – OKで、完璧


S.M.A.R.T.数値変動グラフ:値の変動を記録しております。

  • グラフ内部をクリックすると現在値とデータに関しましてその表示を切り替えます。
  • スキャンA、スキャンB、解析結果(左下グラフ):独自の故障予測スキャンの結果を表示します。
  • 中央にある緑の線が中央に安定すれば正常。上下に振れてブルーゾーンを超えると異常です。
  • 状態範囲の「レッドゾーン」に入った場合はドライブの換装の推薦です。
  • 再描写:各グラフを再描写します。
  • 再解析:故障予測の演算部に再解析を促すキューを投げます。

各検査要素からドライブの故障予測を実施いたします。



バックアップ先が機能していなかったというお話をよく伺います。実は、書き込み側よりも読み込み側が壊れやすい性質を持つため、このような症状が起きます。