
【データ復旧】
図解: IUEC データ復旧サービス
HDDの仕組み
ハードディスクの内部について

- 1, 磁石:ヘッドを動作(シーク)させるために必要な構成部品です。
- 2, プラッタ:データを記録する磁性体ディスクで、プラッタと呼ばれます。複数のプラッタが搭載されている場合、それぞれに対応した複数のヘッドが同時に動作し、読み書きを行います。そのため、内蔵ヘッドは束状の構造になっています。
- 3, アーム:アームの先端には「スライダ」と呼ばれる部品が取り付けられており、その部分でデータの読み書きが行われます。
- 4, 端子:ハードディスクと電子制御基板は、この端子を介して接続されます。
- 5, スライダ:磁気ヘッドを内蔵した非常に小さく薄い板状の部品で、データの読み書きを担う中核部分です。その構造は精密であり、耐久性にも優れています。
- 6, 軸受とモータ:プラッタを水平に回転させるための軸受とモータで構成されています。現在の多くのハードディスクは、静音性と耐久性に優れた「流体軸受」を採用しており、以前主流だったボールベアリング方式に比べて動作音が大幅に軽減されています。その高精度ゆえに、故障したドライブから取り出して他の用途に再利用する方もいらっしゃるほどです。
- 7, コイルと磁石:ヘッドの動作を支える駆動力を生み出す部分で、「ボイスコイルモータ」と呼ばれる仕組みを構成しています。この磁石は非常に強力で、HDDにおけるランダムアクセス性能を高めています。現在のSSDには及ばないものの、大容量のデータ保管庫としては今なお十分な性能を発揮します。
次に、内蔵ヘッド一式をプラッタに放出する方式が二通りございます。
一つ目はCSS方式、二つ目はロード・アンロード方式です。そして、現在主流のドライブはロード・アンロード方式が採用されております。
CSS方式:
スピンアップ・スピンダウンをプラッタ内周部の退避ゾーンで行う方式
CSSは、回転が停止している状態ではヘッドがプラッタ内周部の専用エリアに接触しております。回転が開始すると、その専用エリアから浮遊を開始し、浮遊後、プラッタへ放出されます。
ロード・アンロード方式:
プラッタ外部にある部品(ランプ)にヘッド一式を格納する方式
ディスク外部にランプと呼ばれる部品を配置し、この場所にヘッドの先端部分を格納します。このため、プラッタへの接触は一切ありません。
ここで、ドライブが故障してスライダの調子が悪い場合、ロード・アンロードでも外周部に変形したヘッドが触れる場合があり、 その影響による傷が存在する場合は復旧難易度が高くなります。
ハードディスク ヘッド先端について

図の中央灰色は「プラッタ」、上下の黒い四角が「スライダ」、スライダを支える「ジンバル」、 ジンバルの先端に付いている棒状のものは翼、煙草の煙を示す青丸となります。
プラッタとスライダの間隔よりも、煙草の煙の方が大きいです。また、ジンバルとスライダとの接続も水平ではなく全てのバランスを保ててようやく正常動作に至り、落下等を起こしますと静止していてもこの状態が崩れます。そして、それが故障につながります。
HDDとスライダ(ヘッド先端)の間隔は、煙草の煙の粒子すら通れないほどの間隔です。そのHDD内部は「真空」ではなく、真空では動作いたしません。この間隔を作り出しているのは、実は「空気」です。プラッタ上に生じた流体(空気)に一定の力で物体を押し付けると一定の間隔で浮遊します。これをアームで動かす事で物体が移動します。
この構造上、内部は非常にクリーンです。このクリーンさを保つのにクリーンルームが使われております。このときに生じる空気の層は非常に固いのですが、それはスライダがバランスを保っている間で、それが崩れればこの機構はすぐに破綻し、プラッタ接触となります。
また、HDD内部で化学反応を起こし、ヘッドクラッシュの原因となる固形物の発生や、アームに生じた錆(固形物発生)、気圧変化による水分を含んだ外部空気進入、 潤滑油劣化による寿命など、複合的な原因が重なる場合も多いです。
ヘッドクラッシュを生み出す原因をフィルタや活性炭などで除去する機構になっており、運悪くスライダとプラッタの間にそれらが入り込んだ場合、ヘッドクラッシュを引き起こします。
プラッタは5000romから7200rpm(7200回転/分)で高速回転していますので、壊れたヘッドが接触すること簡単にプラッタ表面へ傷が入ります。それが、ハードディスクの故障する主な原因となっております。