■ ハードディスクの内部について

場所名称役割
1磁石ヘッドを動作(シーク)させる為に必要となります。
2プラッタディスク部分をプラッタと呼び、磁性体によりデータの読み書きが行われます。
複数存在する場合は、多数のヘッドを同時に動かしまして、読み書きを行っております。
3アームスライダを先端に取り付け、データの読み書きを行います。
4端子電子制御基板と本端子で繋がります。
5スライダ小さいスライダ内に磁気ヘッドが組み込まれていて、データの読み書きを実施する部分です。
非常に小さく軽量なのですが、それがハードディスク高速化へと繋がっております。
6軸受プラッタを水平に回転させます。
※ 主流は流体を利用する流体軸受となっております。
7コイルヘッドを動作(シーク)させる為の力を生み出します。
磁石と組み合わせまして、ボイスコイルモータと呼ばれております。

HDD内部は非常に繊細にできております。写真にある名称は一部分で更に沢山の部品で構成されております。 これらが一つでも狂うと動作しなくなり、代替以外の予備もありません。 このHDDはCSS方式で稼動しておりCSS方式はSeagate社・WesternDigital社・Samsung製の3.5インチHDD(いずれも500GB以下の古い型)が採用しております。

CSS方式:スピンアップ・ダウンをプラッタ内周部の退避ゾーンで行う方式

CSSは、回転が停止している状態ではヘッドがプラッタに接触しております。なお、現在は全てのドライブがロード・アンロード方式で稼動しております。

ロード・アンロード方式:プラッタ外部にある部品(ランプ)にヘッド一式を格納する方式

ディスク外部にランプと呼ばれる部品を配置しこの場所にヘッド部分を格納いたします。このためプラッタへの接触がありません。スライダの調子が悪い場合、ロード・アンロードでも外周部に変形したヘッドが触れる場合がありまして、 その影響による傷が存在する場合、復旧難易度が高くなります。

■ ハードディスク ヘッド先端について

図の中央灰色は「プラッタ」、上下の黒い四角が「スライダ」、スライダを支える「ジンバル」、 ジンバルの先端に付いている棒状のものは翼、煙草の煙を示す青丸となります。プラッタとスライダの間隔よりも、煙草の煙の方が大きい事が分かると思います。

また、ジンバルとスライダとの接続も水平ではなく全てのバランスを保ててようやく正常動作に至ります。 落下等を起こしますと静止していてもこの状態が崩れます。それが故障に繋がります。

HDDとスライダ(ヘッド先端)の間隔は、煙草の煙の粒子すら通れないほどの間隔です。 HDD内部は「真空」と思われているお客さまが多いのですが、真空では動作いたしません。 この間隔を作り出しているのは、実は「空気」です。 プラッタ上に生じた流体(空気)に一定の力で物体を押し付けると一定の間隔で浮遊します。これをアームで動かす事で物体が移動します。 この構造上、内部は非常にクリーンです。このクリーンさを保つのにクリーンルームが使われております。

このときに生じる空気の層は非常に固いのですが、それはスライダがバランスを保っている間で、それが崩れればこの機構はすぐに破綻し、プラッタ接触となります。 また、HDD内部で化学反応を起こし、ヘッドクラッシュの原因となる固形物の発生や、アームに生じた錆(固形物発生)、気圧変化による水分を含んだ外部空気進入、 潤滑油劣化による寿命など、複合的な原因が重なる場合も多いです。

ヘッドクラッシュを生み出す固形物を活性炭などで除去する機構になっておりますが、運悪くスライダとプラッタの間に入り込んだ場合、ヘッドクラッシュを起こします。 プラッタは7200rpm(1分間に7200回転)により高速回転しております。壊れたヘッドの接触により簡単に傷が入ります。