SSD/NVMe エラーの境界が曖昧なドライブ

SSD/NVMeが故障する直前は不思議な現象に見舞われます。読んだり読まなかったり書き込めたと思いきや読めないセクタなど状態が不確定となるセクタが発生いたします。なぜならHDDは機械的な動作によって読み書きするのに対しSSD/NVMeは電子的な作用+アルゴリズムで読み書きするためです。完全スキャンの結果を統計スキャンへマッピングするとどうりで結果が安定しない。SSD/NVMeやUSBフラッシュなどに潜むデータ復旧を難しくする要因もそこにありました。

この現象はNVMeで確かに調査いたしました。完全スキャンを96パーセントで止めレジュームで統計スキャンを再開させます。すると上は「完全スキャンの結果」、中央は「統計スキャンへマッピングした結果」になります。そして、下は「統計スキャンの結果」となります。統計スキャンの下にある解析精度がガタ落ちになっております。全セクタを「呼び出して検査」したのに実際には「飛び飛び」でしか検査できていない、でした。これではオールグリーンで安心したのに僅か数日後に「Windows起動不能」の可能性すら十分にあります。なお……この問題点は、例えばWindowsに標準付属する「完全なフォーマット」も該当いたします。

このフォーマットはクイックフォーマットの後に全セクタを呼び出す検査を実施しています。しかしフラッシュまで読み出しが到達しない……「飛び飛び」から検査をパスしても安心には至りません。

↑ 完全スキャン (v1時代からある全セクタを呼び出す検査です)

完全スキャンの結果を統計スキャンへ反映 (完全スキャンの結果→統計スキャンに反映[同一視])
0%から96%の範囲は、完全スキャンから同一視されたものです。 後半にかけては良くなっておりますが前半部分の精度(下の図)が非常に低くなっているのがわかります。 もちろんSSDによっては完全スキャンでも精度が出ている場合はあります。しかし完全側で精度が出るのかどうか事前に調べる術がないためはじめから統計スキャンが必要となります。

統計スキャンと完全スキャンを実行してその結果が完全一致(同相)なら完全側でも問題なかった、と後からわかるです。例外としてHDDは常に定まった結果(正常セクタまたは不良セクタ)が出るため常に結果の両端のみをとる、です。この場合は統計スキャンも必ず定まった値(定数)となるため完全スキャンと結果が一致することが事前に保証されております。そのためHDDは完全スキャンで十分な結果を得ることができます。

↑ 統計スキャン (v3より搭載・全区間を実施)
下にある検査精度が上昇いたしました。この解析結果をふまえて安心となります。