■ ミリ秒単位で状態は変わります
※ 事前のお電話診断(実物拝見なし)だけで「確実に復旧可能」と伝えられていて、それから「復旧不能」となったご案件
(>> こちらの例)を検証いたします。
□ 弊社にて開発・公開しておりますソフトウェアで検証いたします。
対象ドライブは「WesternDigital製 3.0TB」といたします。
>> AI完全自動ドライブ復旧システム FromHDDtoSSD Ver2.1
■ 壊れかけのドライブが、一転して、急に「復旧不能」となった原因について
ドライブがパソコンに認識していたという点だけで「復旧可能」と診断されたから、です。
本来は復旧可能の判断を下すのに、細部に渡る調査が不可欠なのですが、それらが行われておりません。
■ セクタの振る舞いを観察 壊れかけドライブの悪化
エミュレート機能でドライブを動かして、解析を実施せずに壊れかけのドライブを扱うと、状態がどのように変化するのかをはっきり見ていきます。
エミュレートにはドライブ故障統計(ビッグデータ)を採用。この改良がS.M.A.R.T.コンセンサスとなります。
[重要] 「壊れかけ」であっても、はじめのうちは「問題がない」場合が多いです。
なぜなら、ドライブは「最後まで正常に動作しようと制御を試みる」から、です。
■ 図1:
データ復旧機能を起動いたしまして、そのスキャンの変化をみていきます。
何も考えずに復旧機能を走らせた場合を想定しますので、このままディレクトリ再構築を実行いたします。
まず、ディレクトリ再構築開始の直後は正常です。
ドライブ状態の強さを示すスタビリティ指数(※ 図1の右下赤丸)は100で[UP](上向き)です。
はじめが良いのなら、データは復旧可能と判断しても良いのでしょうか?
■ 図2:
いよいよ「不良セクタ」と衝突です。(※ 図2の左下赤丸をご参考・・・[BadSector]ステータス)
ここで、ドライブの状態を大きく変えてしまうセクタに当ててしまいますと、ドライブの状態が大きく変動いたします。
これが、取り返しのつかない状態へと導いてしまいます。
図2の右下赤丸……スタビリティ指数は[DOWN]を示しております。
この[DOWN]は、ドライブの状態が大きく「下向き」になることを示唆いたします。
いわゆる、戻りも得られない「厳しい状態」への突入です。ここで、グラフの形状をご確認ください。
先ほどは上の方で「安定」([UP]の頃)していたのに、今は低下して不安定となっております。
■ 本来、データ復旧業者はこのような「危険な」セクタを避けなければなりません。
※ 避けるには、このような作業の前に、「ドライブ検査」が必要です。
■ 図3:
一度[DOWN]になると、そう簡単には戻りません。現状より5割戻れば良い方という状態まで追い込まれます。
少しずつ劣勢となりまして、最終的には「読み出し不能=>ドライブ認識不能」へ向かいます。
ドライブが認識しているという事実1点だけで判断した結果が、この取り返しのつかない状況です。
事前検査が行われていれば90%以上は堅かった復旧率が、最良でも40%前後の結果になりました。