
【データ復旧】不良セクタの影響は、
ドライブ全体の安定性に深刻な影響を与える場合があります。
不良セクタの影響は、ドライブ全体の安定性に深刻な影響を与える場合があります。
セクタの動作とドライブ状態の変化について
弊社のエミュレート機能では、ドライブを実際に動作させながらセクタ単位の振る舞いを観察することが可能です。ドライブ故障の統計データ(ビッグデータ)を活用して再現性の高い解析を行い、この仕組みはやがて「S.M.A.R.T.コンセンサス」として結実しました。
図1

スキャン変化の一例:ディレクトリ再構築の過程
解析初期、ディレクトリ再構築を開始した直後の状態は良好で、スタビリティ指数(※図1 右下赤丸)は100を示し、ドライブは[UP](上向き)に安定していました。
この時点では、データ復旧の可能性は極めて高いと判断できます。
図2

状況は一変。不良セクタとの衝突
しかし、スキャンが進むにつれて、不良セクタに到達した瞬間(※図2 左下赤丸)、ドライブの挙動は急変します。
スタビリティ指数は[DOWN]へと反転(※図2 右下赤丸)。この[DOWN]は、ドライブ状態の悪化を意味し、内部的には戻りが困難な領域へと突入している可能性があります。
「読み出し不能」に至るプロセス
グラフの形状を見ていただくと、[UP]の安定状態から急激に低下し、回復困難な不安定状態となっているのが明らかです。
図3

判断ミスが致命的な結果に
一度[DOWN]に転じたドライブは、仮に回復しても5割程度までが限界となるケースも多く、やがて「読み出し不能 → ドライブ認識不能」へと進行するリスクがあります。
「まだ認識できているから大丈夫」と早計に判断してしまうと、取り返しのつかない状況に陥る可能性があります。事前に検査を実施していれば、復旧成功率90%以上が見込めた案件でも、最終的な復旧率が40%前後にまで低下することがあります。
まとめ
不良セクタの影響は、ドライブ全体の安定性に深刻な影響を与える場合があります。早期診断と慎重な処置が、成功率を大きく左右します。