【データ復旧】
図解: データ復旧サービス SSDの仕組み

SSD(ソリッドステートドライブ)は、複数のフラッシュメモリチップを用いてデータを分散的に記録・管理する構造となっています。ひとつの大きな記録領域があるわけではなく、ストライピング構造と呼ばれる方式で、データを細かく分割して各チップに書き込んでいます。

このため、全体を制御するコントローラがすべてのチップの動作を把握しながら動作しており、わずか1チップでも故障すれば、SSD全体がアクセス不能になることがあります。

SSDの復旧では、まずどのチップが損傷しているのかを特定する解析作業を行います。その上で、損傷を回避しつつ、生きているチップからセクタイメージを抽出していく復旧処理を行います。多くの方が気にされる「書き込み回数の限界」よりも、実際には制御系の異常やファームウェア障害によるトラブルの方が圧倒的に多いのが現状です。

SSDのフラッシュチップのひとつに異常が出始めると、転送速度が大きく上下にブレ始め、ランダムアクセスが著しく不安定になります。この状態ではOSの起動も難しくなり、最終的にはパソコンが完全に起動不能となります。

弊社では、SSDの復旧に際してこの症状を正確に把握し、安定状態に制御を誘導しながらセクタ情報を取得する特殊な復旧技術を導入しております。

SSDのコントローラを動かすための内部プログラムは「ファームウェア」と呼ばれています。このファームウェア自体がバグや破損によって異常をきたすと、SSD全体が認識不能な状態になることがあります。

この場合、主に以下の2つの方法で復旧を試みます:

  1. ファームウェアの外部修復:専用機材でSSDの内部ファームウェアを修正します。
  2. チップ交換方式:ファームウェアが内蔵されたチップごと交換し、新たなファームウェアの自己修復機能を利用する方法です。

さらに高度なケースでは、チップ表面を削って信号線を直接接続し、特殊な手法でデータアクセスを行うこともあります。

SSDはHDDとはまったく異なる構造を持ち、高度な制御と構造的リスクを抱えたデバイスです。弊社では、各種チップの解析からファームウェア修復まで対応可能な設備と技術を備えており、重度の障害にも柔軟に対応いたします。