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■ HDD/SSD パソコン本体からの取出作業

データ復旧の実施対象ドライブをパソコン本体(サーバ本体)から取り出す作業となります。

◆ 初期診断作業

  1. ドライブに負担がないよう診断を実施いたします。
    ※ RAID構成の場合は、ディスク単位で実施いたします。
  2. スキャンが通常(レベル1~2、クラスタ)レベルで可能か判断いたします。
  3. 2の過程で不可判定の場合、別の手法(セクタ単位レベル)を試します。
  4. 3の過程で不可判定の場合、クリーンルーム作業を検討します。

※ 1の段階であっても、危険と判断できる場合は、クリーンルーム作業を検討いたします。
※ 2および3は独自ソフトウェアにて素早く実施いたしております。

◆ [物理障害重度] クリーンルーム作業

  1. [少しでも最良な条件を作る]:
    HDDに付着するホコリを除去いたします。
  2. [表面検査]:
    トップカバーの開封に着手し、プラッタ表面の状態を検査。(スキャンに応用します)
  3. [破損個所回収]:
    正常動作を阻害する直接的な要因を全て取り除きます。(例:吸着したヘッド等)
  4. [剥離した磁性体除去]:
    内部の汚れている個所(削られた磁性体)を除去し、それらを回収します。
  5. [内部部品交換]:
    破損した部品を全て取り除き、正常品から取り外したものと交換します。
  6. [最終チェック]:
    全部品を再確認いたします。確認のち、トップカバーを閉じで作業完了です。
  7. [ファームウェア修復]:
    状況によっては、ファームウェア系統の修復を実施します。

◆ データスキャン作業

安全に、セクタのイメージを損傷したHDDから再構築作業用コンピュータへ転送します。
※ 復旧対象媒体から、データを直接引き出すような「危険な作業」は実施いたしません。
その前に、データを構成する「セクタ」と呼ばれる最小単位のデータを安全なシーケンシャル方式で取得します。損傷した媒体にはプラッタに不規則な傷が存在し、プラッタ自体にも障害を抱えている場合がありまして、それがヘッドクラッシュやヘッドの暴走を誘発するため詳細な計画を立てて一つ一つ作業を実施いたします。

ドライブの損傷度や状態の変動を読みながら、スキャンするパターンを変えて作業いたします。概算ですが、所要時間は状態により大きく変動し、数時間~2日です。例え予定よりお時間を要したとしても症状段階により定められた一律の料金でデータ復旧を提供しております。
※ スキャン用プログラムは毎日改良いたしております。
※ 104種類(動作が42種類、その他62種類)のパターンが存在いたします。これらを組み合わせ、強力なスキャンを実行いたします。

以下、基本的な3つの動作と、そのオプションとなります。2で複雑な処理ができますので、この6種類だけでもそれなりに使えるものとなっております。

1、連続スキャン
指定された区間を連続してスキャン。指定なしの場合は0hより開始。
2、非連続スキャン
指定された区間を非連続でスキャン。非連続パターンとアドレス指定が最低限必須。それ以外にもオプションを付けて使います。
3、手動スキャン
ごく限られた微小区間を、手動で確認しながらスキャンします。アドレス指定が必要。また、オプションBを組み合わせます。
A、アドレス反転
指定された区間を逆さにスキャンする命令。
B、訂正不能セクタを00hで処理
どうしても読み取れないセクタは00hと読む命令。
C、スキャン中断
一定の条件を満たした場合、スキャンを中断させる命令。

使用例:1 
明らかに論理障害の場合、ウイルス活動による削除など、機械的に破損していないと断定できる場合は1のみで十分です。機械的に破損していない場合でも、イメージを取得してやり直しが利く方法で作業をしております。また、故障予測サービスにて「警告段階」のHDD/SSDよりデータを移転する場合にも利用いたします。

使用例:1&A&B 
この場合、最後のセクタから頭に向かって逆さ読みします。外周部に損傷を負い、ヘッドの余力が僅かで開封する直前の場合には非常に有効です。このような媒体を頭から読み込もうとすると、最初の損傷部に当たってしまいヘッドクラッシュに発展する可能性が高いです。逆さ読みでも最後はヘッドクラッシュする場合がありますが、他の読み込める部分を既に取得していますのでデータ復旧は成功です。
※ 逆さ読みの場合でも、ファイルシステムを司る主要部分は先に回収いたします。

使用例:1&A&B&C(条件) 
さらにヘッド退避(スキャン中断)を付け加えたパターンです。エラーの生じている区間に達した際、動作がすぐに停止する条件を加えます。これによりヘッドを保護し、残った区間は3、手動スキャンで回収します。ヘッドの状態により工夫して使い分けております。

使用例:{1or2(パターン)}(条件1)&B&{C(条件2)&F(条件3)} 
非連続スキャンとは指定された微小区間をゆっくりと積み重ねるイメージとなります。つまり、非連続だけで処理をすると時間が必要となります。エラーのない場合で1GBあたり平均25分必要となります(使用されているデータ量ではなく、全体の容量です)。エラーが存在する事を前提で非連続処理を行うのですから、さらに時間は増していきます。そこで、条件1により安全性の高い部分を連続スキャンで処理する事により、高速化を実現しております。ところで、非連続の場合はエラー部分(すなわち、損傷ヘッドに壊された区間)をスキャンしますので、損傷度合いが大きいと判断できている場合はヘッドを保護するようオプションCを添えます。ただし、このオプションCの条件により、動作が何度も停止してしまうようでは全く使い物になりませんので、オプションCをある程度相殺するオプションFを添えます。オプションFとは漠然とした機能、すなわち白黒はっきりさせるようなものではなく、メーカや型番、状態などの条件を加えて上手く使い分ける必要があります。

使用例:{1or2(パターン)&H(使用/希望容量)}(条件)&B 
データというものは、その中身と管理部分が分かれております。つまり、中身部分をスキャンしただけでは、ファイル名やディレクトリ構造が得られず、復旧されるファイルは全てバラバラの状態で摘出され、ファイル名すら失ってしまう事になります。確かにファイル自体は生きておりますのでデータ損失にはなりませんが、再度リネーム、ディレクトリ構築を行わないと運用できない為、非常に不便な結果を招いてしまいます。そこで、登場致しますのがオプションG~Jとなります。各ファイルシステム専用となります。これは当然で、ファイルシステムにより重要な部分が変わる為です。また、使われていた容量や希望される容量が分かりますと精度が上昇致しますので、お申込書に「復旧希望の容量」という項目がございます。ただし、これらオプションは必ず必要という訳ではなく、媒体の状態に応じて使い分けております。

使用例:{1or2(パターン)&H(使用/希望容量)}(条件1)&B&{C(条件2)&F(条件3)} 
上2つの組み合わせです。

使用例:2(パターン)&B&{D(条件1)&F(条件2)} 
非連続のみで処理する必要があるパターンもあります。弊社にてプラッタ重度障害の診断結果、またはプラッタ障害などの診断結果で敬遠されがちな物件を扱う際に使用致します。とにかく時間を必要とする為、コスト的なものから敬遠される場合もあると思いますが、弊社では復旧可能性がある限りは、時間が必要となる旨をお伝えし、了解を得次第、長期お預かりしてデータ復旧を実施しております。地道に非連続で処理し、オプションDによりスキャン続行、Fにより動作を安定させます。数日で完了可能な作業ではなく、状態によっては4GBを救い出すのに2ヶ月要した例もございます。しかし、その4GBが2度と撮影できないお写真と作業前に伺っておりましたので、お客様にはご満足頂け、こちらと致しましても嬉しい限りです。

今回のように非連続スキャンのみで処置を行う場合は別の技術を併用して復旧を実施します。
>>Data_Platter&Investigation技術

2009年より:
ハードウェア高性能化に伴い、Windows版を作成いたしました。
セクタレベルのスキャンですのでOSに関係なく利用でき、保守性も上がりました。
※ フリーソフトFromHDDtoSSDは本Windows版の副産物となります。
実際に復旧で利用する強力なスキャンが一部有効となっております。
操作方法はシンプルを鉄則といたしておりますので、簡単にご利用いただけると思います。

読み込み中に「ガリガリ」と異音が発生、起動に至らなくなる障害を確認いたしまして、データスキャンいたしました。読み込むほど転送レートが落ちており、再試行回数などが上昇いたしております。

◆ [ファイルシステムで再構築] データ再構築作業

データスキャン作業にて得られたセクタのイメージから、データを導く作業となります。
論理障害を起こしている場合は、破損したファイルシステムを再構築する作業が必要となります。物理障害の場合は、不良セクタによる損失がファイルシステムにどの程度の影響を与えたか考慮しつつ、再構築を行います。万一、ここで結果が良くない場合は、データスキャン作業に戻りまして手動にて損失個所を再試行しております。

データスキャンを確実に行いますと再構築をする必要もないまま データを復旧できる場合も多いです。矛盾した部分を含む場合などは、 それを取り除くのではなくそれ以外の場所からデータを再構築して復旧します。 時間を要する場合も少なからずありますが データスキャン作業により安全な場所にセクタのイメージが転送済ですので、何度でもやり直しができます。 失敗が許されないデータスキャン作業に比べれば難易度は遥かに低いと言えます。

◆ データ移転作業「データ整合性検査」が付属

データ再構築作業にて得られたデータを移転する作業です。
※ データ整合性検査を挟み、データが問題ない点を確認しながら移転を行っております。

データ移転先にDVD(現在はUSBフラッシュメモリ)をご指定いただいた場合、 ディレクトリ構造(フォルダ構造)を壊さないようにデータを分け、納品します。
※ データ整合性検査がコピーに包含されております。

これで基本的なデータ復旧作業を完結いたします。

基本的なデータ復旧以外にも、必要となる復旧作業を紹介いたします。
※ 暗号化されているデータの復号、故障する直前の環境を復旧するパソコン修理作業がございます。

上:復号サービスが必要な場合(暗号化されている場合) 
下:故障する直前の環境を復活させるパソコン本体修理

 (>>イメージ再構築作業)>>暗号化データ復号作業>>データ整合性検査作業>>データ移転作業2
>> データ移転作業 (整合性検査をパス)
 >>イメージ再構築作業>>イメージ転送作業>>パソコン本体修理作業

1, データ復号作業

暗号化されたファイルを復旧する場合に必要です。 下記画像は「vistaにアップグレード」を暗号化してみました。バイナリレベルでデータが異なる点をご確認いただけると思います。
※ 2021年更新:今では暗号タイプを自動的に検知し、復号処理できます。(復号過程でキーが取れない仕様な場合、パスフレーズが必要な場合があります)

暗号化とは、ファイル自体を別なものに置き換えて、データ漏洩を防ぐ技術です。
データを復旧しただけでは、この置き換え後のファイルが復旧されてしまい、 このままでは一切使用できず、復旧した事にはなりません。そこで、復号サービスにより、これらファイルを復号し、元の状態に復帰させます。 パーティションまたはドライブ単位の場合、先にイメージ再構築作業を実施します。

2, データ整合性検査

復号いたしました各ファイルの整合性を全検査いたします。復号作業が成功したかどうか、それには全ファイルを検査いたします。プライバシーを配慮し、ファイルは一切開きません。コンピュータによる自動検査です。復旧率がかんばしくない場合は、再度、暗号化データ復号作業をやり直します。

3, データ移転作業

整合性に問題ないと判断できた場合、データを移転いたします。しっかりと復号されたファイルを納品するためのデータ移転作業です。こちらは純粋なコピー作業となります。DVDの場合は構造を保ったまま焼いております。

4, [パソコン本体修理] イメージ再構築作業

パソコンが故障する直前の環境を、綺麗に復活させます。 これには復旧したデータの他、ブート情報領域情報・色々と細かな処置が必要です。 それら要素をまとめて再構築し、そのイメージを生成する作業となります。

このようなデータ(イメージ)を生成いたします。これはセクタイメージと呼ばれ、内部にはお客さまの復旧データが詰まっております。これを新品HDDへ丸ごと転送いたしますと、起動できる環境が蘇ります。

5, [イメージ転送] イメージ転送作業

イメージを新しいHDD/SSDへ転送し、パソコンを復活させる前の準備を整えます。新品HDD/SSD/MVMeに関しましては、必ず全セクタ検査を実施いたします。着実な検査を必ず実行いたしまして、確実な動作を約束いたします。

6, [今まで使っていた環境ごと蘇る データも同じ場所に復活] パソコン本体修理作業

イメージが転送された新品HDD/SSD/NVMeをパソコンへ取り付ける作業を実施いたします電源を投入し、元々の環境を起動させ動作に問題がないよう必ず検査いたします。最後に、各種アップデートを行いまして、セキュリティ面を最新して修理を完了いたします。

故障する直前の環境が正常に起動する瞬間は、大変嬉しいものです。データ復旧技術・イメージ再構築技術・パソコン本体修理の集結となります。各技術に関しましては、常に改善を行い、お客様のご希望に応えていきます。