
【ドライブ検査: 統計スキャン】
FromHDDtoSSD
エラーの境界が鮮明なハードディスク
目次 [INDEX]
【ご案内】HDD検査における「完全スキャン」と「統計スキャン」の違いと推奨使用法
ハードディスク(HDD)に対しては、従来から搭載されている「完全スキャン」機能のみで問題ありません。
そのため、統計スキャンを選択しようとした場合には、システムより「統計スキャンは必要ありません」という案内が表示される設計となっております。
■ なぜHDDには統計スキャンが不要なのか?
統計スキャンは本来、SSD/NVMeに特有の「即時型不良セクタ」や統計的に振る舞いが変化する領域を対象とした次世代検査機構です。
一方、HDDではすでに「完全スキャン」(v1時代より実装)が、セクタ単位の実動作確認によってすべての異常を確実に捉えるため、追加の統計的分析を行う必要がほぼありません。
■ 両者の関係性について
以下の図式で、HDDにおける完全スキャンと統計スキャンの関係をイメージできます:
完全スキャン(v1から継続。全セクタを物理読み出しで検査)
統計スキャン(v3より搭載。未来予測型)
└─ 完全スキャンの結果を参照・同一視
【0%〜79%】:完全スキャンと統計スキャンの結果が一致している区間
【解析精度】:HDDでも一致区間において精度が最大値に達している
■ 収束する=完全スキャンと同等
統計スキャンは本来、動きのある分布や変動を観測する機能ですが、HDDではそれが全区間において定数に収束(変化なし)しているため、結果として 完全スキャンと同一視されます。
イメージ:動き回る統計データが、すべての場所でピタリと止まり、一つに定まっている状態=完全スキャンと同等
■ 結論:HDDの場合は「完全スキャン」で十分です


- HDDでは、完全スキャンのみで異常セクタの検出や性能劣化の把握が可能
- 統計スキャンを実行しても結果が完全スキャンに一致しているため、あえて実行する必要はありません
- 統計スキャンは主にSSD/NVMe環境での不安定動作検知や将来の障害予測にご活用ください
■ 補足:どうしても統計スキャンを実施したい場合
FromHDDtoSSDでは、HDDに対しても統計スキャンを実行すること自体は可能です(v3より全区間対応)。
ただしその結果は、完全スキャンと一致することが想定されており、動的解析には向きません。