◇ 論理フォーマットについて

まず、工場出荷前のフォーマット「物理フォーマット」で、各セクタにデータを記録できるようになります。しかし、これだけでは使用することができません。各データを最適な位置に配置(ファイルシステム)いたしまして、論理的に読み書きできるように、初期化する必要があります。
その「仕組み(ファイルシステム)」自体を書き込む作業が、論理フォーマットです。

つまり、ハードウェアからみると「0」と「1」のデジタル信号を読み書きするのみですが、この間に「ファイルシステム」が挟むように入りまして、論理的なデータ構造を意識せずに「読み書きできる仕組み」となっております。

◇ フォーマット形式に関しまして

Windowsに採用される「NTFS」が有名だと思います。
※ フォーマットには、「クイック」と「通常」があります。すぐに処理を終えるクイックで十分です。
「通常」は、不良セクタの検査が付くため、とてつもなく時間がかかります。Windows95 / 98 の時代では、すでに存在するファイルシステムの初期化に「クイック」、何も無い状態からでは「通常」が必要でした。そのため、その頃の名残かもしれません。このように、データを読み書きする仕組みが「ファイルシステム」となります。この仕組みを守りつつ、データを早く安全に出し入れできます。

◇ ファイル数が大きくなると、ファイルシステムへの負担が大きくなります。
そこで、ファイルシステムの配置をうまく工夫いたしまして、負担を減らすことにより、論理障害のリスクを減らします。

ファイルシステムで負担が大きい処理は、「書き込み」と「リネイム」です。
リネイムは意外かもしれませんが、ファイル名で木構造が変わるので、負担は大きくなります。これらは、ファイルシステムを支える構造自体が大きく変化いたしまして、そこで多数のファイルを抱えておりますと、システム全体が重くなります。

そのため、重要なデータの運用には、必ず「パーティション」を複数に分割いたします。そして、一つのパーティション当たりの負担を「上限100,000ファイル程度」に抑えると、長持ちいたします。ファイルシステムは、基本構造に「木構造」と「リスト構造」を組み合わせて実現しておりまして、それぞれのデータをセクタ単位で、そのままシリアライズしております。
ファイル数が増加すると、シリアライズする場所が飛躍的に増加して、壊れやすくなります。

ファイルサイズについて:FAT32におけるファイルサイズの上限は4GBです。
32ビットだと、どうしても、このサイズがセクタを示せる限界となるためです。
なお、これを木構造と64ビットで解決した「exFAT」が出てきております。