完全スキャンから統計スキャンへの同一視

なぜ、SSD/NVMeの完全スキャンでは解析精度が低下するのでしょうか。SSD/NVMeには、フラッシュメモリとコントローラの間にファームウェアによるアルゴリズムが存在いたします。アルゴリズムが不要と判断したアクセスについてはフラッシュへの読み書きが行われておりません。これによりSSD/NVMeは大幅な高速化が実現いたしました。しかし、故障判断が複雑化いたしました。

不確定なセクタが塊で出てきます

フラッシュ特有の不確定なセクタが出現いたします。読めない・しかし書けたり書き損じたりが続くセクタです。

完全スキャンを微調整するだけでは対応できない構造の違い

ファームウェアとフラッシュ特有の問題が同時に絡むため完全スキャンの微調整では対応できません。この問題はSSD/NVMeが大容量化した後のデータ復旧で間違いなく牙を剥いてきます。すでにSSD/NVMeはテラバイトの時代に突入していますので大切なデータを格納する時が迫っております。そこで早い段階から解決法を探りまして統計スキャンの開発に至りました。少し前の256GB程度のSSD/NVMeならばシステムしかないためデータ復旧の必要性は低かったです。しかし2.0TB等になった今……システム以外のデータも普通に入れて運用されていると思います。

↑ 完全スキャン (v1時代からある、全セクタを呼び出す検査です)

↑ 完全スキャンの結果を統計スキャンへ反映 (完全スキャンの結果→統計スキャンに反映[同一視])