まず不良セクタレストレーションで不良セクタを修復したWD6400BPVTのS.M.A.R.T.をみてみましょう。不良セクタが存在するにも関わらず代替セクタ数を示すS.M.A.R.T.の0x05(再配置カウント)が0

不良セクタが存在するが代替セクタ数が0となっているドライブじゃな。
代替セクタが失われて初めて不良セクタとなるならば代替セクタ数は0ではないはずですよね?  代替セクタ数を記録するとされるS.M.A.R.T.の0x05(再配置カウント)が0のままっておかしいですよね?
それは「代替セクタが失われて」という条件の下で「代替セクタ数は0ではない」が成り立つんじゃな。 すなわち、その条件成立の下でカウントされるS.M.A.R.T.の0x05(再配置カウント)は、 代替セクタが消費されている(つまり失われている)場合に限り、カウントされるんじゃよ。
よってこの条件以外の原因で不良セクタに至った場合……、 代替セクタが「消費されずに」不良セクタとなった場合S.M.A.R.T.の0x05(再配置カウント)は動かないんじゃ。
代替セクタが使えない状態もあるという事でしょうか?
S.M.A.R.T.の0x05には妙な力?があるようでテクニカルサポートでもよく伺っておる。極端な話、0x05でドライブの状態が決まるという話もあるらしいが、それは違う。木を見て森を見ずという状況に似ておる。代替セクタが使えない状態というのが、これがよくある話なんじゃ。そして少し考えれば当たり前なんじゃ。 代替セクタを使うには、ヘッド系統が正常でなくてはならない。 読み書きする部品が正常であって、はじめて代替セクタの出番じゃな。
では、セクタが存在するプラッタより先にヘッド系統が損傷した場合……正常な読み書きが出来ないから、代替セクタの出番はない。0x05が0のまま故障しても別に問題ではないんじゃ。ただ……、
ただ?
本当に危ない場合(ほぼ故障後)は正常値から一気に危険域に変化(0x05が大きく動く)するこの過程が不明なんじゃ。しかも、ここ数年で登場したドライブはみなこの傾向があるのも、やはり不明なんじゃ。もしかしたら(この先は憶測を含む内容)、何故か0x05の数値自体が「故障」という「指標」になってしまっているから それに合わせるために、故障と同時に0x05を大きく加算させるアルゴリズムになってしまっているかもしれん。 ただこれだとその加算は故障予測の本質から逸脱しておりそれ以外にも「極悪な動き(^^;(まだ問題ないのに0x05が少しずつ増加させるアルゴリズム?)」にも加担している可能性を考えるとまずい傾向じゃな。いわゆる「何が本当の数値なのか分からないという状況」か。
それで……、ドライブの状態が「上向き」「下向き」という話が重要だったのですね。[>> 参考]
ヘッド系統が問題ない(上向き)場合は、代替セクタが多少出ても正常に処理されるが、 ヘッド系統が弱ってきた(下向き)場合は、代替セクタ以前の問題を抱えているため、問題が出始めているという事ですね。
そういうことじゃな。特にヘッド系統が弱ってきた「下向き」の場合は、代替セクタが使用できる状態ではないから、 0x05が0のまま推移する事も多く、この0を「正常」と判断してしまうと、近いうちやられるかもな。そして……「上向き」の場合は代替セクタが上手く割り当てられて正常に動いているのだから、 多少なりとも0x05が増えても問題ないんじゃ。 これを「故障」を見誤って処分されてしまうのは、勿体無い(大事なヘッド系統は正常ゆえ)。
代替セクタ(0x05)にばかり気をとられ、ヘッド系統の正常性を見失ってしまうと、ダメなんじゃ。