[データ復旧エンジニアリング] S.M.A.R.T.の有効性からエンジニアリングとなりました。2015年よりS.M.A.R.T.コンセンサスでビッグデータを生成し、ばらつきをみてきました。故障検知としての十分条件にはほど遠く、気持ち程度の必要条件のみ満たしているのがS.M.A.R.T.の実態でした。

S.M.A.R.T.と故障通知の関連をみるため、以下の事象A,Bを観察しましょう。

A, ドライブに故障の前触れが何度も検出されてきたので故障通知を出す。
B, ドライブが故障して正常に読み出せなくなった。

故障検知として信用するには、事象Aから事象Bに対して十分条件を満たす必要があります。つまり、故障の前触れが出てきたので故障通知が確実に発行され、たしかに、ドライブが故障していたという流れになります。

ところが、S.M.A.R.T.は事象Bから事象Aに対する必要条件に留まります。つまり、S.M.A.R.T.から故障通知が出た段階では、すでに正常には動作せず、バックアップが困難な状況となります。さらに、あくまで通知が出た場合に限っては故障した感じだよ、という内容を伝えるだけで、実際には何も反応しないケースも多くあります。

そして、これだけなら「ただ予想を外しただけだろ」で終わるのですが、この性質を逆手に取った「妙なドライブ」が10年以上前から出回っているのです。各故障統計データを観察した結果、S.M.A.R.T.の真の目的は「その策略(謀略)」かなとみております。さてさて、その詳細は「次回」です。

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