エラー訂正には、時間と処理コストがかかります。
これは、HDDであってもSSDであっても共通する重要な性質です。
ドライブは、読み取り時にエラーが発生した場合、内部でエラー訂正や再試行を行います。
その結果、正常に読み出せれば問題ありませんが、訂正に時間がかかるセクタや、訂正不能に近いセクタでは、応答が大きく遅延することがあります。
そのため、データ復旧では、どの領域に時間をかけて読み出しを試みるべきか、どの領域は後回しにするべきかを慎重に判断する必要があります。
特に問題になるのが、ファイルシステムの管理領域です。
ファイルシステムには、MFT、ディレクトリ情報、インデックス情報、空き領域管理、ログ情報など、アクセス頻度が高く、かつ重要な管理領域があります。
通常の手順でドライブを接続すると、OSはまずそのドライブを認識し、マウント処理を行おうとします。
このとき、OSはファイルシステムの状態を確認するために、重要な管理領域を読み込みに行きます。
しかし、壊れかけたドライブでは、そのような重要領域に、すでに読み取り困難なセクタや訂正不能に近いセクタが存在している場合があります。
つまり、本来は慎重に扱うべき領域へ、マウント処理の最初の段階でアクセスしてしまうのです。
これが非常に厄介です。
効率的かつ安全に復旧するためには、どのセクタを優先して読むのか、どの領域を避けるのかを制御したいところです。
ところが、自動マウントが有効なままだと、OSが先にファイルシステムへアクセスし、エラー訂正や再試行を要求するセクタを巻き込んでしまうことがあります。
その結果、ドライブへの負荷が増えたり、応答遅延が発生したり、場合によっては状態が悪化する恐れがあります。
そのため、データ復旧処理の前に重要になるのが、自動マウントを切ることです。
