危なくなってからやる?――量子耐性は“後付け”できるのか?

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危なくなってからやる?――量子耐性は“後付け”できるのか?

「まだ間に合うから」「量子コンピュータが本格化してから対応すればいい」―― そんな声をときどき耳にします。

でも、本当にそれでいいのでしょうか? 量子耐性は、そんなに都合よく“後付け”できるものではありません。

ポスト量子暗号は、まだ“理論上の存在”

現在、いわゆるポスト量子暗号(PQC)と呼ばれる技術は、 多くが「量子コンピュータの登場を想定した設計」にとどまっています。

なぜなら、本格的な量子実機がまだ出回っていないため、 その脅威に対する評価や設計も、あくまで理論ベースでしかないのです。

SSLなら「止めればいい」けど、暗号通貨は違う

インターネットのSSL/TLS暗号であれば、万が一のときでも一時的にサービスを停止し、証明書を入れ替えることで対応できます。

しかし、暗号通貨は違います。 そこに使われている暗号アルゴリズムは、直接的に「お金」そのものをロックしているのです。

つまり、「暗号が破られる=お金が盗まれる」という構図が成り立ってしまいます。

リスクの桁が違う。だからこそ先回りが必要

SSLと同じスピード感で「あとから対応すればいい」と考えるのは、 あまりにもリスク認識が甘いと言わざるを得ません。

暗号通貨が本当に長期的な信頼を得るためには、量子耐性の後回しは許されない。 いまこの時点から、“実装を前提とした準備”が必要です。

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