量子コンピュータには「量子ゲート方式」と「量子アニーリング方式」の二種類があります。
それで、2010年代で騒ぎになっていたのは量子アニーリング方式でした。こちらはその原理上、最適化問題を解くのに特化しており、暗号を破るための周期情報を計算するような機能ではなく、暗号にとって量子アニーリングは脅威ではなかったので、そこが油断につながってしまいました。
そこに105量子ビットの「量子ゲート方式」の量子コンピュータが稼働した、という流れでした。この量子ゲート方式は、いわゆる量子ビットにスーパーポジションを構築のちエンタングル、計算のち崩壊させて、スパコンなどの古典的なコンピュータでは絶対に得ることができなかった指数時間が絡む計算結果を得ることができるため、暗号にとって脅威となっております。暗号は、そのような指数時間が絡む計算結果を得ることができない性質を利用しているためです。
とはいえ、やはり「量子ゲート方式が進化しながら稼働した」という点が最大の問題で、まだまだ脅威になりえる性能にはほど遠いという観点は通用しないことが今月、はっきりしました。
でも、ここで注意すべき点は「量子は何でも計算できる」わけではない点です。そこで、どんな感じで利用するのか、次回、ちょっと試してみましょう。ちょっとした素因数分解です。