ECDSAの“耐用年数”を再考する――5年以内に崩壊する可能性

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ECDSAの“耐用年数”を再考する――5年以内に崩壊する可能性

これまで、私はECDSA(楕円曲線署名)の安全性について、「あと7~12年は持つだろう」と見積もっていました。

しかし最近、その見積もりを修正せざるを得ない事態が生じました。

2029年、10万量子ビット級の登場が現実に

最新の量子コンピュータ開発ロードマップによると、2029年には10万量子ビット規模のマシンが登場する見込みです。

量子エラー訂正技術が同時に進展すれば、この時点でECDSAが破られる可能性が現実味を帯びてきます。

つまり、「安全な残存期間」は5年以下になる可能性がある、ということです。

PoWはもっと早く影響を受ける

そしてもうひとつ見逃せないのが、Proof of Work(PoW)の脆弱性です。

PoWは秘密鍵保護ではなく、ハッシュ探索の計算競争によって成立しており、 この構造こそが量子コンピュータに最も狙われやすいポイントです。

したがって、PoWに対する影響は、ECDSAよりもさらに短い時間軸で顕在化すると見られます。

今こそ、耐性設計と移行準備を

5年以内というタイムスパンは、ブロックチェーンやセキュリティ技術にとっては“明日”と同義です。

量子耐性に向けた実装、検証、移行シナリオの整備は、もはや選択肢ではなく必須課題となっています。

仮想通貨とその基盤技術が信頼を失う前に―― 本格的な量子時代への備えが、いま必要です。

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