Schnorr署名の集約にうまくいったので、考察(その7)を忘れておりました。本日、まとめます。
そこでまず、対策法(結論)はタイトルに書きました。一度もトランザクションに使用していない新規アドレスに保管する。これが大事です。
理由は簡単で、一度もトランザクションに使用していない新規アドレスについては、ハッカーは即諦めです。これについては諦めるしかありません。なぜなら手掛かりが一つもないためです。
なぜ手掛かりがないのか。それは、考察(その6)までに並べたあれらクラスなどの機構はトランザクションの情報をブロックチェーンに書き込むための仕組みで、そこから考える事が出来ます。つまり、一度でもトランザクションに利用すると、そのアドレスに紐づけされたトランザクションの情報がブロックチェーンに書き出されて共有されるわけです。それゆえにコールドウォレットであっても、ブロックチェーンに書き出され共有された情報からコールドで保管したアドレスに辿り着くことができます。
ところで、普段から何気なく使っていると、新規のアドレスで運用されている状況は案外少ないです。なぜなら、取引所にアドレスを登録して受け取る際、そのアドレスは誰もが一度以上使用しているからです。一度以上使用するという事は、この地点でそのアドレスに紐づけされたトランザクションの情報がブロックチェーンに何度も書き出されている事を意味します。
でも、そのような送り先アドレスを何度も変えるのは、管理的な面から現実的ではございません。よって、受け取った後に自分で新規アドレスに送り直す作業が必要です。それはウォレットで簡単に実現できるようになっていて、トランザクションとしても正当なものです。
新規アドレスを生成して、そこに全額を送るなどで実現できます。するとウォレットは「自分自身への支払い」という項目でトランザクションを生成して実行します。
これはどのように扱われるのか、それはアドレスに紐づけされた情報がブロックチェーンに書き込まれるのは送る方(つまり何度も使用している受け取ったアドレス側)で、新規アドレスの送り先は「ここに送ったよ」という最小限の情報のみとなりますゆえに、その新規アドレスにコインを置いておく限り、手掛かりは一切ないという理想的な状況になります。特に長期保管なら、これしかないです。
ここで、新規アドレスを利用することによりプライバシーの問題が生じないという利点がよく強調されがちですが、プライバシーの問題なんかよりも、手掛かりが一切ない理想的な状況にコインを置くことができるという性質の方が遥かに重要でした。