HP製ワークステーション(HP Z840 Workstation)のWindows Update(Windows 10 Pro for Workstations)後に再起動した際、USB接続していた当該外付けHDDドライブにおいて、ドライブ内のフォルダやファイルを見ることができなくなった。
お客さまよりお伝えいただいた症状
<依頼内容> 外付けHDD単体(WD Elements Desktop)でのデータ復旧を希望します。可能であれば、HDD内に格納されているデータ全てを復旧対象としていただきたいです。
<障害事象> ・HP製ワークステーション(HP Z840 Workstation)のWindows Update(Windows 10 Pro for Workstations)後に再起動した際、USB接続していた当該外付けHDDドライブにおいて、ドライブ内のフォルダやファイルを見ることができなくなった。
・HDDの状態としては、エクスプローラでドライブとしては認識されているが、その内部のフォルダやファイルにはアクセスできず、しばらくエクスプローラの応答が無かった後に、あるときは「パラメーターが間違っています」というメッセージボックスが表示され、あるときは「フォーマットする必要があります」というメッセージボックスが表示される。
・HDDアクセス時の音はあるが、目立って大きくはなく、異音というほどではない。
・FromHDDtoSSDを使用し、S.M.A.R.T.情報を確認した結果、C5「代替処理保留中のセクタ数」が最悪値の200、C6「回復不可能セクタ数」も最悪値の200を示した。
・HDD本体が格納されているケースを開け、一部分解(電源ユニット部分の取り外し等。HDDディスク自体は未開封)し、市販のUSB-SATAケーブル(AC電源付き)を使用して、HDD本体とPC(上記ワークステーションとは別機)の直接接続を試みたが、発生する事象は上に記したものと同様であった。
症状の断定
内蔵ヘッドが消耗する物理障害
採用技術:IUEC SORA-QAI FromHDDtoSSD AIデータ復旧システム
ハードディスクは日々大容量化しております。それでも構造は変わりません。
よって、内蔵ヘッド先端の機能低下によって消耗すれば、読み取り側から壊れていく性質も一緒です。先端部の劣化で磁気の読み出しが弱くなり、エラー訂正のしきい値を超えると不良セクタになります。
S.M.A.R.T.のC5とC6が同時に最悪値を示したのは、プラッタ側の問題ではなく、内蔵ヘッド側になにかしらの異常が生じている証拠です。よって、その原因を取り除くことでデータの復旧が可能となります。
ここで、内蔵ヘッド一式の交換作業を思い浮かべがちですが、あの作業は分解作業を含むためリスクがある上、復旧費用が高額となります。弊社では、できる限りリスクを下げ、かつ最小限の作業で済む方法をAIなどで割り出しておりますので、そのような作業ではなく、まったく別の手法で復旧作業に着手し、問題なく成功しております。結局、何でもかんでもドライブを開ければいい、ではございません。
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