量子耐性の実装で良さげな方法がみつかりました

これは、ECDSAの「延命」です

量子耐性に目が向きがちな昨今、見落とされやすいのが「ECDSAの延命」という概念です。

楕円曲線暗号（ECDSA）をすぐに廃止するのではなく、同じ楕円曲線を維持したまま延命させるという選択肢があります。この方法であれば、既存との互換性を保ちつつ、真に有効な量子耐性アルゴリズムの選定に十分な時間を確保できます。

結果として、将来的なスケーラビリティの確保にも貢献できるでしょう。

この延命の鍵となるのが、鍵構造そのものの精査です。現在、さまざまな視点からこの精査を行っています。

鍵の精査においては、BitCrackなどの特殊なツールの使用も避けて通れません。とはいえ、そのままでは目的外の機能も含まれてしまうため、BitCrackをフォークして「BitAnnealing」を立ち上げました。

BitAnnealingは、あくまで延命ロジックの探索を目的としたツールです。例えば、インポート向けのアドレス生成機能など、不要な機能はあらかじめ排除した上で、精査用の構造に最適化しています。

本プロジェクトでは、あくまで量子時代への橋渡しとして「延命の知見」を深めることを目的としています。そのため、目的外の機能や応用は排除し、純粋な技術検証と実験環境として位置付けています。

今後も、より安全で柔軟な暗号インフラの実現に向けて、段階的なアプローチを進めていきます。