取り出せなくなったデータを救う。
[更新:2010-0329]

パソコンにまつわるコラム:ミラーの過信は厳禁

複数のHDDを接続するRAID、自動的にバックアップを取れるように組み込んだシステム、同時にミラーを生成するミラーリング。
シーケンシャル高速化、冗長性などを求めて組まれます。

RAIDの仕組み

複数台のHDDを接続して扱います。何台繋げても、コンピュータからは1台として認識されます。すなわち、RAIDコントローラがHDDと見なされます。

  • 通常の構成=> HDD <> コンピュータ
  • RAID構成=> 複数台のHDD <> RAIDコントローラ <> コンピュータ

※ RAIDの接続方式が鍵を握っております。よく使われる形式は以下の通りです。
1, RAID-0(ストライピング):データを一定のブロックで分解し、それを接続されたHDDに交互に書き込む方式です。
シーケンシャル速度及び容量が向上致しますが、データ保護能力は全くないです。
2, RAID-1(ミラーリング):データを複数台に同一内容にて書き込みます。何台接続しても容量は一定です。データ保護能力は向上します。(※ 万能ではありません)
3, RAID-5(パリティ付ストライピング):データを一定のブロックで分解、パリティを計算、これらを全て交互に書き込む方式です。
3台以上での構成が必要ですが、1台が破損してもパリティよりデータが復元できるメリットがあります。

RAIDを制御するデバイスドライバ

OSをインストールする際、相手先が単独のHDDであれば、ドライバを追加する必要はありませんが、
RAIDコントローラとなった場合、これをコンピュータが認識するためのドライバを追加する必要があります。
例えばWindowsの場合、インストールの際にFDが必要となるのはこの為です。

最近のマザーボードは一般ユーザ様向けでも有り余るほどの高機能で、
IDE(最近は排除の傾向あり)、SATA、RAIDコントローラは当たり前のようにオンボードです。

1台構成の場合でも誤ってRAIDに接続いたしますと、
例え1台でもコンピュータからはRAIDと見なされますので、ドライバを入れる必要が生じてしまいます。
※ 最近(2010年)では、BIOS設定から選べるような改良がなされており、便利になりました。
※ Windows2000の場合、BigDrive非対応の場合があります。RAIDコントローラ経由にいたしますと、この問題は生じませんので、この場合はメリットがありますね。

自動バックアップ

HDDを単に2台接続致しまして、一定時間おきに同期させる方法です。
ミラーリングの場合、常に互いは最新のデータですが、自動バックアップの場合は時間差が生じてしまいます。
しかしながら、人為的ミスによるデータ損失の場合、同期されるまでにデータを戻せるメリットがあります。

  • 同期前
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|90, 10, 00, 00, 00|
  • Disk2|100, 00, 00, 00, 00|
  • 同期後
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|90, 10, 00, 00, 00|
  • Disk2|90, 10, 00, 00, 00|

HDDを視覚的に(手抜きとも)表してみました。数値は全体を100として情報を保持している量を表します。
今回のDisk1は未使用が90、データ使用量が10、その他エラーのセクタはありません。新しいDisk2(新品なので未使用100)にバックアップした様子(同期)です。

自動バックアップ 知らない内にデータ損失へ

最初の例はDisk1、Disk2は正常で何の問題もありません。(単に手抜きの説明・・です、すいません)
では、データ損失の例を挙げてみます。

  • 新品の状態
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|55, 45, 00, 00, 00|
  • Disk2|100, 00, 00, 00, 00|
  • 最初の同期 (無事作動確認)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|55, 45, 00, 00, 00|
  • Disk2|55, 45, 00, 00, 00|
  • 定期的に使用中、データ量55から80へ。(無事作動確認)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|20, 80, 00, 00, 00|
  • Disk2|20, 80, 00, 00, 00|
  • 障害の発生 (無事作動確認)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|20, 80, 00, 00, 00|
  • Disk2|19, 80, 01, 00, 00|
  • 障害の発生2 (無事作動確認)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|20, 80, 00, 00, 00|
  • Disk2|19, 70, 11, 00, 00|損失10
  • 障害の発生3 (無事作動確認)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|18, 80, 02, 00, 00|
  • Disk2|15, 64, 21, 00, 00|損失16
  • 障害の発生4 (無事作動確認)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|18, 80, 02, 00, 00|
  • Disk2|10, 55, 30, 05, 00|損失25
  • 障害の発生5 (エラーで停止)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|18, 60, 02, 03, 17|損失20
  • Disk2|10, 55, 30, 05, 00|損失25
  • 障害の発生6 (5のエラーを無視、再度エラー、再起不能)
  • 数値の順 空データ数, 実データ数, 読み込み不能セクタ数, 書き込み不能セクタ数, 読み書き不能セクタ数
  • Disk1|00, 00, 00, 00, 100|損失80(ヘッドクラッシュ)
  • Disk2|10, 35, 50, 05, 00|損失45

Disk1(メイン使用)が元気なのに対し、Disk2(コピー先)が徐々に弱っていくパターン。
データを書き込んでから一定時間後に読み込み不能セクタに変化。同期の場合、ファイル名または更新日時に変化がない場合は書き込みしないため、
データ損失が気付かれずに放置されてしまいます。頻繁に更新するファイルは、書き込みの際にセクタが復活致しますし(エラーの場合もあり)、
最終的に読み書き不能セクタになった場合はエラーで停止(書き込み不可)します。ほとんど更新しない(全く更新しない)保存用ファイルなどが影響を受けます。
※ 更新頻度の低い例といたしましては、デジタルカメラの画像などが犠牲となっております。
※ 対策:更新頻度の低いファイルは、できる限り別のメディアにも保存する。
※ NASに接続されたバックアップ外付HDDなど、最近は多いですね。

ミラーリングをバックアップとして利用してはならない

ミラーリングはバックアップの代わりになりません。
そもそも、ウイルスの削除活動、人為的なミスによるデータ損失、論理的な障害は防ぐ事ができません。
※ 13日に削除活動するウイルスなんかは比較的有名だったと思います。
さらに、先ほどの自動バックアップと同じく見えない消耗が重なり、システムが停止した際には既に時遅し、
接続したHDD全てが破損していたという結果に繋がる恐れがあります。
RAIDは、システムを長持ちさせ、決められた時間に修理を可能にする恩恵が重要です。
アクセスが度重なる最も忙しいときに故障されてシステムが停止し、それにより生じる損失を回避するが本来の姿です。
(障害の際、一つだけでも生きていれば、システムは継続可能になります。修理は落ち着く深夜に回す事が可能)
⇒最悪、修理ができない場合は、別のバックアップが出番となる訳です。
⇒人為的なミスでファイルを紛失した場合も、別のバックアップから再度戻す作業が必要となります。

手作業のバックアップに加え、故障予測を行うソフトウェア(^^;

自動的にストレージの故障を予測する「故障予測ソフトウェア」を開発いたしました。
基本的な予測を実装済のフリーエディションから、少し踏み入ったサポートエディションを揃えております。
サポート付きですので、お気軽にご利用いただけたら幸いです。
[ >>FromHDDtoSSD Ver2.x ]

自動バックアップの欠点(脆弱性)を補う「定期バックアップ」をご紹介いたします。こちらも自動バックアップの一種なのですが、故障予測と連動できる点が大きく異なります。
つまり、故障予測にてバックアップ先の見えない劣化を監視しつつ、バックアップを行うことができます。

定期バックアップ

>>その六:不良セクタの処置方法−1
>>番外7:電子音