[更新:2010-0403]

データ復旧サービスの作業報告書に関する詳細を解説

作業報告書

技術重視の業者では、作業報告書にも相当な力を入れております。
そもそも、「大きな傷があったので返送します」「ヘッドアクチュエータの異常」などの「一言」では本来表せないはずです。
形式が決まっている訳ではございませんが、技術的な意味が通れば問題ないとされております。
以下報告内容「1番〜7番」に関しまして、詳しく解説いたします。

作業報告書

1番に関しまして [作業報告書 その1]:IDENTIFY_DEVICE の取得および、その値に関する調査

IDENTIFY_DEVICEはATAドライブに備わるコマンドとなります。
主にドライブの固有値を取得する際に利用いたしまして、そのドライブ自身を知る事ができます。
このコマンドを発行いたしますと、これに準じる形式でバイナリデータを受け取ることが出来ます。
このバイナリデータの形式は以下の通りです。※ 一つの要素で複数のデータを保持している場合、論理和となっております。


	typedef struct IDENTIFY_DEVICE_
	{
		USHORT				wGeneralConfiguration;
		USHORT				wObsolute1;
		USHORT				wSpecificConfiguration;
		USHORT				wObsolute2;
		USHORT				wRetired1[2];
		USHORT				wObsolute3;
		ULONG				ulReservedForCompactFlash;
		USHORT				wRetired2;
		CHAR				pszSerialNumber[20];
		USHORT				wBufferKind;
		USHORT				wBufferSize;
		USHORT				wObsolute4;
		CHAR				pszFirmwareRev[8];
		CHAR				pszModelNumber[40];
		USHORT				wMaxNumPerInterupt;
		USHORT				wReserved1;
		USHORT				wCapabilities1;
		USHORT				wCapabilities2;
		ULONG				ulObsolute5;
		USHORT				wField88and7063;
		USHORT				wObsolute6[5];
		USHORT				wMultSectorStuff;
		ULONG				ulTotalAddressableSectors;
		USHORT				wObsolute7;
		USHORT				wMultiWordDMA;
		USHORT				wPIOMode;
		USHORT				wMinMultiwordDMACycleTime;
		USHORT				wRecommendedMultiwordDMACycleTime;
		USHORT				wMinPIOCycleTimewoFlowCtrl;
		USHORT				wMinPIOCycleTimeWithFlowCtrl;
		USHORT				wReserved2[6];
		USHORT				wQueueDepth;
		USHORT				wSataCapacity;
		USHORT				wReserved3[3];
		USHORT				wMajorVersion;
		USHORT				wMinorVersion;
		USHORT				wCommandSetSupported1;
		USHORT				wCommandSetSupported2;
		USHORT				wCommandSetSupported3;
		USHORT				wCommandSetEnable1;
		USHORT				wCommandSetEnable2;
		USHORT				wCommandSetDefault;
		USHORT				wUltraDMAMode;
		USHORT				wTimeReqForSecurityErase;
		USHORT				wTimeReqForEnhancedSecure;
		USHORT				wCurrentPowerManagement;
		USHORT				wMasterPasswordRevision;
		USHORT				wHardwareResetResult;
		UCHAR				cAamCurrent;
		UCHAR				cAamRecommended;
		USHORT				wStreamMinRequestSize;
		USHORT				wStreamingTimeDMA;
		USHORT				wStreamingAccessLatency;
		ULONG				ulStreamingPerformance;
		ULONG				ulMaxUserLBALow;
		ULONG				ulMaxUserLBAHigh;
		USHORT				wStremingTimePIO;
		USHORT				wReserved4;
		USHORT				wSectorSize;
		USHORT				wInterSeekDelay;
		USHORT				wIEEEOUI;
		USHORT				wUniqueID3;
		USHORT				wUniqueID2;
		USHORT				wUniqueID1;
		USHORT				wReserved5[4];
		USHORT				wReserved6;
		ULONG				ulWordsPerLogicalSector;
		USHORT				wReserved7[8];
		USHORT				wRemovableMediaStatus;
		USHORT				wSecurityStatus;
		USHORT				pwVendorSpecific[31];
		USHORT				wCFAPowerMode1;
		USHORT				wReserved8[15];
		CHAR				pszCurrentMediaSerialNo[60];
		USHORT				wReserved9[8];
		USHORT				wNvCacheUse;
		ULONG				ulNvCache;
		USHORT				wStorageRot;
		USHORT				wReserved10[4];
		USHORT				wTranseport;
		USHORT				wReserved11[32];
		USHORT				wIntegrityWord;

	} IDENTIFY_DEVICE;

色々な情報を持つ要素が並んでおり、これらがドライブの固有情報を保管いたしております。

BIOSへの認識とは?・・>本当の意味を探る

ハードディスク破損や復旧を扱うサイトにて、「BIOSへの認識」というキーワードをよく耳にすると思います。
BIOSとは電源を入れた直後に出る画面です。各基本的な初期化を行い、OSへ制御を渡すのが主な役目です。
パソコンの電源を入れますと、はじめにドライブが列挙形式で表示される訳ですが、
ドライブ型番等の情報は一体どこから得ているのだろうか、気になるところです。
実は、型番はpszModelNumberが指す文字列、ファームウェアはpszFirmwareRevが指す文字列となります。
ところで、「BIOSに認識しない=物理障害重度」と結びつくのは、何故でしょうか。
本情報の総サイズは512バイトとなります。この僅かなデータ量すら読み出せないのですから、物理的に壊れている訳です。
※ BIOSに認識するという作業は、ドライブの情報を読み出すという作業です。
また、認識させてしまえばAUTO設定にて何もせず利用できるのも、
例えばulMaxUserLBA(Low,HighやLongLong)などでセクタ数を取得できたりするからです。

BIOSへ認識させたが、容量が化けてしまう・・>本情報が上手く読み出せていません・・つまり、壊れています

ドライブ型番等の情報は一種のデータに過ぎません。
※ ただ、読み出す際のATAコマンドが異なるだけです。
よって、壊れていたり、相性問題が発生いたしますと、正常な値を取得できなくなります。
これが認識不能(型番の文字列が空)、容量化け(内部が壊れている)などに繋がります。

そして、一部が欠損したりファームウェアが壊れますと、
正常な値を読み出せなくなりますので、こちらも物理的に壊れていると判断される訳です。

初期診断作業に利用

データ復旧サービスの初期診断では、パソコンに繋げてBIOSへ認識するかどうか、そのような調査はいたしません。
パソコンに繋げて電源を入れ、単に認識可否を調べる方法は、あくまでもユーザレベルです。
正しいデータ復旧技術を持つ業者では、そのような安易な方法はまず採用いたしません。
なぜならば、最小限のコマンドでは済まないためです。相手は壊れかけかもしれません。慎重になります。

2番に関しまして [作業報告書 その2]:S.M.A.R.T. の取得および、その値に関する調査

S.M.A.R.T.はATAドライブに備わるコマンドとなります。
主にドライブの状態を取得する際に利用いたしまして、一応、ドライブの故障予測に利用されております。
このコマンドを発行いたしますと、これに準じる形式でバイナリデータを受け取ることが出来ます。
バイナリデータの方は、属性IDとその値について、一定の区切りを設けて格納されております。

スマート

ただ、S.M.A.R.T.値をデータ復旧へ利用する事は一切ございません。
なぜならば、利用できるほど正確ではないためです。[ >>参考:S.M.A.R.T.の脆弱性(故障予測技術) ]
※ 実際に故障いたしました媒体を修復(クリーンルーム)し、拝見するのですが、エラーとなるような数値がございません。
データ復旧においての目的は、その中身ではなく・・以下、3番へ続きます。

3番に関しまして [作業報告書 その3]:S.M.A.R.T.取得まで(戻ってくるまで)の時間

プラッタの状態で取得時間が大きく変わるため、これを利用いたしております。
S.M.A.R.T.はプラッタ(ディスク側)から読み出しております。
※ 小さい要素でも、安全な復旧へ繋がるのであれば、とにかく何でも利用いたします。

4番に関しまして [作業報告書 その4]:エラー訂正に関しまして

データは正しい形で残っているが、そのままでは読み込めず、時間を要する区間の割合です。
[ >>参考:Data_Platter&Investigation 技術 ]
※ この区間はヘッドを完全破損させてしまうリスクが存在するため、
スキャン優先順位は最下です。このあたりの順序を決めるのがスキャン区間決定アルゴリズムです。
[ >>参考:DIRECTSCAN Ver2.0 技術 ]

5番、6番、7番に関しまして [作業報告書 その5]:データスキャン、再構築

状況の予測さえ完了できれば、あとは安全にデータスキャンを行い、再構築(+整合性検査)してファイルを出します。
備考欄には、予定されていた作業に変更が生じた場合、その内容を記載いたします。

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データ復旧動画集

動画1

[動画1を小窓で開く]
クリーンルーム作業 その1を公開いたしました。破損個所の特定を終え、早速ですが修理に取りかかります。

動画2

[動画2を小窓で開く]
クリーンルーム作業 その2を公開いたしました。修理中です。

動画3

[動画3を小窓で開く]
クリーンルーム作業 その3を公開いたしました。

動画4

[動画4を小窓で開く]
クリーンルーム作業を終え、データスキャン作業へ移行する場面です。

動画5

[動画5を小窓で開く]
クリーンルーム内、データスキャン区域における作業中の動画を公開いたしました。僅かな状態変動も見過ごさない、5年間独自に改良し続けた高精度データスキャンで、お客さまの大事なデータを救います。
※本技術は故障予測にも応用いたしております。

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